Xの存在

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「前金が必要なのか?」 チェイサーが懐から、革袋を取り出そうとすると 「いいえ、うちの子と今晩は遊んでいただきたいの。 まだ、女の子になりたてで、ちょっとレアものの子をご紹介するわ」 マダム・ルルはそう言うと、スカートを翻して部屋から出て行った。 女の子になりたて・・・ってなんの事だ? 首をかしげているチェイサーの顔を見て、ブランドンはニヤニヤ笑っている。 「簡単に、この国について説明しておこう。 この国の子どもは、俗にいう<フタナリ>で産まれるんだ」 フタナリ・・・・ 「<フタナリ>って、両方ついているアレか!」 チェイサーの言葉に、ブラントンはうなずいた。 「俺も子どもが生まれて、よくわかったんだが、この国では18才の時に、 自分で性別を決めることができるんだ」 「はぁーーーっ、すごいな。俺もいろいろな国を回ったが、知らなかったな。それで?」 チェイサーの食いつきに気分を良くしたのか、ブラントンは続けた。 「それまでは、オトコでもなく、オンナでもなく、Xっていう存在なんだな。 18才になると、どちらかの性別にするためホルモンの施術を受ける。 半年ほどで体は変わる」
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