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「こんなところで、何をやっているんだ?
今度は、危ない裏仕事なのか?」
目の前の金まわりがよさそうな男に、チェイサーは苦笑した。
ブラントンは、薄茶色の髪をかき上げて、やや照れくさそうにニヤリと笑った。
「今は、縁あって、ある方に仕えている。
俺は、この国のオンナと結婚したのだ」
「はぁーーーってか!」
チェイサーは、目を丸くした。
ブラントンはチェイサーの昔の仕事、傭兵時代のバディだった。
ブラントンはその驚きを無視して、続けた。
「お前さんのかわいい相棒はどうした?小鳥ちゃんとワンコは?」
「ダリルは宿で待機させている。
ホークアイは、知っての通り、適当にやってるさ」
チェイサーは座りなおして、グラスに注がれたウィスキーを一気飲みした。
高級な酒だ。
相当、稼ぎがいいのだろう。
「今回の仕事っていうのは?」
「護衛だが、いささか面倒な対象なのだ」
ブラントンは、笑いながら答えた。
その、薄笑いを見て、チェイサーは防衛線を張った。
「お前がそうやって笑いながら誘う時は、だいたい面倒くさい案件なんだがな」
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