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「ああ、だが、しばらくすると、戻っている」
ブラントンは肩をすくめて、
「俺が護衛の責任者の立場として、突然行方不明になられると困る。
何かあれば、俺の責任問題になるからな」
「パパが困るわけか?」
チェイサーはブラントンの顔を見て、くくっと笑った。
「笑いごとじゃないぞ。
この仕事は、俺の将来がかかっているからな」
ブラントンは眉をしかめ、断言した。
「お前の小鳥とワンコの協力が不可欠と、判断した。
お前の賞金稼ぎの腕は、折り紙つきだからな。
懸賞金のかかっている悪党どもは、恐れをなしている」
「俺の場合は、空と地上と二方向から詰めていくからな」
チェイサーは<当たり前だ>と言うように、グラスの縁を指で叩いた。
「ブラントン様、ご挨拶してよろしいかしら?」
その声の主が、衝立の隙間から顔を覗かせた。
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