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美人だが、化粧が濃いので年齢が不明だ。
しかもオンナにしては、大柄で貫禄のあるオーラを放つ。
「今日は、騎士団長のブラントン様が、お見えになってうれしいわ」
黄金の髪は高く結い上げられ、高級レースでこれでもかというように飾られたドレスに身を包んでいる。
ブラントンは、その美人に開いている椅子をすすめた。
「紹介しよう。この酒場のオーナーのマダム・ルルだ。
こいつは俺の悪友のチェイサーだ。
しばらくは、ここに滞在する予定だがね」
マダム・ルルは大げさな身振りで、手を胸の前で組んだ。
「まぁ、うれしい!
それでは、ここにも来てくださるわね。チェイサー様」
「マダム・ルル、なんとお美しい方だ。
あなたに乾杯と賛辞を」
チェイサーはそう言って、グラスを軽く上げた。
「まぁ、お口が、お上手だこと。
私も、男前のお客様が来ていただけるなんて、とってもうれしいわ」
マダム・ルルは商売上手らしく、すぐに空になりかけたグラスに酒を注ぎ、
チェイサーにむかって妖艶に微笑んだ。
「ブラントン様には、騎士団のお客様をたくさん紹介していただいて、感謝しておりますの」
マダム・ルルは、紅の唇に人差し指を当てて
「チェイサー様?今日はお遊びになるかしら?
もし、よろしければ、2階までいらしてね」
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