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マダム・ルルは立ち上がると、片目をつぶって、ブラントンに意味深の合図をした。
それから、小さく手を振り、衝立から出て行った。
「あの、女は?騎士団って、なんのことだ?」
チェイサーは、だいぶ酒が回っているブラントンに質問した。
「マダム・ルルは、ここの娼館のオーナーだ。
うちの騎士団は独身者も多い。
男女間のトラブルは、解決がやっかいだからな。
ここは機密保持も完璧だし、いろいろなプレイも楽しめる。
王族が極秘で使う事もある」
「おい、おまえが騎士団長って?」
チェイサーは額にしわをよせて、うさんくさげに聞いた。
「実はいま、王族に仕えている。
嫁さんのオヤジのつてでな。だから今は、堅気の仕事だ」
「ということは、護衛対象は、王族なのか?」
ブラントンは、腕組みをしてうなずいた。
それを見て、チェイサーは額に手をあてた。
「期限を決めたい。俺も引退を考えている。
今後牧場を経営するつもりで、準備もしているのでね」
「そうだな。半年でどうか。
いや、3か月でいい。そこで一区切りつくので」
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