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コツン
チェイサーは契約成立の印としてグラスを傾け、ブラントンのグラスに軽く触れた。
グラスの酒は大きく揺れ、チェイサーはすべて飲み干した。
「それでは、寝ぐらはどうする?」
ブラントンが聞いたので、チェイサーは思案顔で机を指で叩いた。
「宿はだめだ。
犬も一緒で、一泊だからと無理を言って、今回は何とかしたからな。
それにホークアイもいるし、近くの農家とかで、あまり人が来ないところがいいな」
「そうだな。犬と鳥だと、一軒家で庭の広い所か。この辺で顔の広い奴は・・」
ブラントンは衝立の上から顔を出して、給仕の女を呼んだ。
「これで支払いを。釣りはいらん。マダム・ルルに話がある。」
給仕の女は愛想笑いをして、
「マダム・ルルは接客中ですが、お呼びしますか?」
「いや、2階に直接行くから」
ブラントンはそう言って立ち上がり、チェイサーの肩を軽く叩いた。
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