第二章(ツガイとイチャイチャ)

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〜sideラシル〜  あー、可愛い。ノアなら、もうどんな姿でも可愛い。服は、俺の色にしようか。絶対に似合う。深緑と白にしよう。それでシンプルに、ノアが動きやすいような服で。他の服はアストに考えてもらえば、絶対に似合うようにしてくれるはずだ。  それから、俺はノアの大きめの服を作り、破れた服を元に戻す。ついでにギメルとアストの様子を覗くと、二人はイースト国の国王と王妃を含めた貴族達を、謁見の間にて威圧していた。それも、国王の側室となったフェネックを殺し、他のキツネの側室も全て殺されている状態で。  アストはだいぶ怒ってる。ノクトの怒りも相当で、サウスの王族がいなくなってるしなぁ……仕方ない。ここでイーストも潰れられたら面倒だし、ノアを連れて行こう。行くのはノアが望んだ事だし、ノアに任せてみてもいい。 「ノア、大きくなって着てみて」  すると、ノアは再び大きくなり、俺の作った服を着る。  うん……これは全員狩れる。ノアの獲物が多ければ、ノアを裏切る事はない。あとは、ノアの狩りが無差別的なものなのか、それとも何か目的があるのか、俺が確かめる必要があるかな。それにしても……本当に可愛いなぁ。 「ノア、綺麗だよ。可愛い」 「キュア! ラシル、チュウしてぇ」  ッぐ……可愛い! 勿論喜んでするよ! アレフの前とか関係ない! なにより、俺がしたい!  俺がノアにキスをし、腰を引き寄せると、ノアは急に小さくなってしまった。 「あらら、パピーは気持ちいいと戻っちゃうのか。ラシル、残念だね。まだまだお預けだ」  クッソ! ニヤニヤしやがって。俺だって、ノアが成長しないと無理な事くらい知ってる! でも、ちょこっとくらい期待してもいいじゃん。 「ラシル、気持ち良かったあ! 好き好き」 「ッ……可愛い! ノアが気持ち良かったなら、俺も嬉しいよ」 「キュキュキュ!」  小さなノアを上に持ち上げると、ノアは尻尾を揺らして喜び、更に元の姿に戻って、俺の肩に乗り、首を甘噛みしてくる。少しの痛みとともに、ノアが俺を好きな気持ちが伝わり、痛みが強くなればなるほど嬉しく、俺も思いっきり噛みたくなってしまうのだ。それこそ、食べてしまいたいほどに……ただただ、ノアを愛している。
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