(狩りと弟と家族)

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 僕はラシルの服から出て、床に下りる。そして、リャンに協力してもらいながら、獣人の姿で大きくなると、ギメルとアス兄さんが僕を隠すように抱きついてきた。 「ノア! これは待って! あとでじっくり見たい! 綺麗すぎ! 可愛すぎ! もう、ほんっとうに自慢の弟だよ!」 「これは今は駄目だ! あとでゆっくり見たい! でも、見せてくれてありがとう! 凄い綺麗だ」 「キュァア! やった! 喜んでくれた!」  僕は尻尾を振って小さくなり、ラシルにしがみつく。 「ノア、良かったね。狩りもできたみたいだし、大成功かな?」  狩り? 僕、ちゃんと狩れた?  僕はラシルに抱えられて周りを見ると、発情している竜人が多く、僕の方に寄ってこようとする。  あ、僕の獲物だ。特にあの人……あの豪華な服の人! 「ラシル! あの人、欲しい!」 「あぁ、やっぱりね。おい、イースト国王妃、こっちに来な。ノアが呼んでる」  すると、その竜人は尻尾を揺らしながら、すぐに僕の元へ来て、ソワソワとした様子で膝をつき、僕を見上げる。 「ノア様、私はイースト国王妃、ウェンといいます。か、可愛らしい……この度は、王がノア様を傷つけてしまい、申し訳ございません」 「ウェン? 僕、ノアです!」 「はい、ノア様。何かご命令はありますか? なんでも構いません。死ねと言われれば、今すぐにこの命をノア様に捧げましょう」 「キュ? 分かんない。ラシルとギメルに共有する。だから、今まで通り生きてほしいの!」  これだけ言えば大丈夫! あとはもう、僕の獲物だから、あのかっこいいツノ触りたい! あと尻尾も!  僕はラシルに下ろしてもらい、ウェンのツノと尻尾を触り始めた。
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