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〜sideラシル〜
「ノアの願いかぁ。一人に対して一つの願いかな。しかも、実行できそうな奴にだけ……ノア、ウェンがノアの願いを叶えてくれるって。良かったね」
「キュ!? キュ、キュン!(本当!? ウェン、ありがとう!)」
ノアは俺の首元から顔を出し、ウェンに向かって礼を言う。
「カワイイ……とても可愛いです。ノア様」
ウェンは完全にノアしか見えていない。ルカと同じで、本当ならノアの一番そばで、ノアだけを見ていたいのだろう。
「キュァア!(褒められたあ!)」
ノアが喜ぶと、ほぼ同時に倒れてしまったウェンは、他の獲物達によって介抱される。
あ、気絶した。喜んでるノアが可愛すぎた? 間近で見た影響かな。
「それじゃあ、帰ろうか。ギメルとアストも帰るよ。他はノアの獲物達がなんとかするでしょ」
そうして世界樹へ帰ると、ノアはすぐに巣に行ってしまい、大量のタオルや毛布の中に潜っていく。
「血の匂い。パピー、嫌だったんだね」
「アレフ、留守番ありがとう。血の匂い、俺達にも染み付いてる?」
「ギメルとアストだけ。二人は水浴びでもしてきな」
ノアの母親がわりのアレフに言われてしまえば、さすがの二人もノアに嫌われないように、すぐに水浴びへと向かった。
あの二人、水浴びは嫌いだったような……まあいいか。
「パピーの収穫は?」
「うん、いい奴見つけた。面白い事も分かったよ」
アレフにノアの狩りについて話せば、アレフも面白がっていて、神を狩らせてみたらどうだと言ってきた。
「あいつら、ノアに選ばれなかったら、絶対に面白い」
「確かに面白そう。特に、二番目はいい反応しそうだよね」
「フェーブルアールか。ノアにギメルの名前を教えたんだっけ」
「そう。だから、絶対にノアに選ばれないと思うよ」
俺は助かったけど、ノアはショックだったみたいだし、声さえ覚えてれば、狩られる事はなさそう。あー、楽しみ。フォキシナの方が落ち着いたら、天界に連れて行こうかな。
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