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僕は今までにないくらい嬉しくて、ラシルに外に連れ出してもらった。すると、世界樹は白い花を咲かせ、僕の獲物や精霊や魔物が集まっていた。
「キュァアア!」
ラシル、見て見て! みんな喜んでる! 嬉しいね!
「ノア、嬉しいね。でも、少し落ち着こうね。怪我したら大変だから。あと、リャンはノアに引っ張られて精霊魔法を使わないように、少し離れてるといいよ」
僕は何が嬉しいのかよく分かっていないが、ラシルが喜んでいるのと、ラシルの手伝いができて嬉しかった。フェーブルアール、というものをラシルは嫌がっていて、僕はそれがどうしても嫌で何かしたかったのだ。
「僕、初めて! 守れたの初めて!」
「そうだね。ありがとう、ノア」
「パピーは世界を守ったと言ってもいいよ。よくやったね」
「ノアの覚醒は、ラシルとの交わりか? もっと回数を増やせば……」
「なら、尚更ノアの成長は早めないと、ノアの負担が凄そうだね。精霊王は激しいみたいだし」
僕の成長? 僕、大きくなるの! ラシルと気持ちいい事したい!
「ラシル、ラシル、僕どのくらい大きくなったらいい?」
「うーん……やっぱり、ノアが大きくなった姿くらいかな。あれでも体格差があるとは思うけど、あとは慣らせば大丈夫だと思うよ」
じゃあ、僕もっと頑張って早く大きくなる!
僕はラシルの首に擦り寄り、尻尾を揺らしていると、その尻尾をギメルが触ってくるため、ギメルの顔を尻尾でポフポフとすれば、ギメルが僕に抱きついて離れなくなってしまった。
「ノア様! 兄様!」
するとそこに、ロイドが急いだ様子でやって来て、僕がギメルのマミーに遊んでもらっている間、ラシルとアス兄さんがロイドと話していた。
「マミー、ギメル、なんかロイドに似てる人増えてる。エルフ?」
僕はギメルの肩に乗って遊んでいると、遠くの方にエルフが見えて、どんどん集まってくるのが分かった。
「そうだよ。エルフは、ロイドが無事に王になれたから、ラシルに謝罪と挨拶に来たんだろう」
「しゃざい?」
「ごめんなさいってするんだよ」
「エルフはラシルの存在を忘れてたからな。忘れてごめんって言ってるんだ。ほら、頭下げてる」
そうなんだ。ラシル、怒ってないみたい。ロイドが王様なら、もう安心?
「僕も行ってくる!」
「おっと、待て待て。ノア、あとでにしよう。今喋ってる途中だからな」
「パピー、呼ばれるまで待ってよう。できる?」
「できる! 僕、いい子!」
ラシルが呼んでくれるまで、ちゃんと待てるよ!
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