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翌日。 とりあえず部のみんなには、昨日のは軽い冗談だといっておこう、と心に決め、駅から会社までの道を歩いていた。 おそらくもう部内だけでは治まっていないかもしれないが、仕方ない。 「おはようございます、部長」 後ろから部下達に声を掛けられ「あ、おはよう」と挨拶する。大丈夫だ、いつも通りだ、と安心していると「はーたーなーかーぶちょーう!」と背中から聞き覚えのある声が聞こえた。 もはや聞こえないフリも出来ず、仕方なく振り返ると、神崎が嬉しそうに手を振って走ってくる。 「お、おはよう」 周りの視線を浴びながら神崎に挨拶をした。 「おはようございます!今日もいい天気ですねえ」 キラキラの髪と笑顔が眩しい。 「そうだね」 透は、そう言って先を急ぎ、自社ビルに入った。 「待ってくださいよー。同じところに行くんだから、一緒に行きましょうよ」 神崎は、すぐ後ろを付いてくる。 受付のアリサ嬢たちに「おはようございます」と意味深な笑顔を向けられて、透は引きつった顔で「おはよう」と挨拶した。 神崎は、平気な顔で「おはようございます!」と受付嬢達にもキラキラの笑顔を向けている。 受付の二人は、やはり嬉しそうに頬を赤らめる。 こんなオッサンと付き合っているなんて噂は、どうせ冗談として受け止められているんだろう。ある意味、ほっとした。
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