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随分と飲みすぎてしまったようだ。気がつくとタクシーに乗っていた。
神崎が隣に座っていて、肩を抱かれ、神崎の肩に凭れている。
「ん、あ、ごめ……」
身体を起こそうとすると、更に強く肩を抱かれた。
「ダメですよ、もう少し眠ってて下さい。少し飲ませすぎちゃってごめんなさい」
ヨシヨシと髪を撫でられ、気持ちよくなってまた目を閉じてしまった。
「運転手さん、ありがとうございます」
神崎が何か言いながら、透を車から降ろした。
言われるがままに歩き出す。
なんだかやけにバカでかい建物のエレベーターに乗り込む。
(会社か?)
透は寝ぼけたまま、神崎に連れられて、部屋に入った。
どさり、と柔らかい寝床に寝かされる。
「気持ちいい……」
思わず声に出し、手を伸ばした先にあった枕に抱きつく。
アロマかなにかの良い匂いがして、透は、そのまま深い眠りについてしまった。
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