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コーヒーの香りで、目が覚めた。 頭が痛いけれど、やけに寝心地は良い。 「透さん、起きてください。朝ですよ」 髪を優しく撫でられ、チュッと額にキスをされる。 目を開けると、あまりに綺麗な顔が目の前にあって「うーわっ」と声をあげてしまった。 「シャワー入って目を覚ましてくださいね。朝食出来てますから」 神崎は、そう言って透のシャツのボタンを外し始める。 「自分でする!自分で!」と幼稚園児のように抵抗しながら、転がるようにベッドから降り、案内されてサニタリーに向かった。 「あ、とりあえずこのシャツ着てくださいね、サイズ少し大きいかもしれないけど」 新品の下着とシャツを渡され「あ、ありがとう」と頭を下げた。 カッターシャツを脱いでいると、神崎がいつまでも見ているので「おい、出てけよ」と文句を言った。 「残念」と神崎は笑いながら、サニタリーから出て行く。 「全くどういうつもりだ」 透は、ブツブツ言いながら、服を脱ぎ、風呂に入った。 「うわ!広っ」 透の部屋の風呂の三倍はありそうな浴槽と金ピカのシャワーヘッド。 さすがに朝なので、湯は張っていないが、浸かったらかなり気持ちが良さそうだ。 いいなあ……と思いながら、熱いシャワーをザッと出した。 「透さーん」 ドアの向こうで神崎が声を掛けてきた。 シャワーを止め「なんだ?」と聞くと、神崎がいきなりドアを開けた。 「わ、なんだよ」 「わー、やっぱりいい身体ですね」 タオルも何もなく、全部見られてしまい、透は少し傷つく。 こんなオッサンの身体のどこがいい身体なんだ。 「なんだよ、からかってんのか?」 ヤケクソになって、透は聞いた。 「そんなわけないです!タオルここに置きますね」 神崎は、ニコリと笑ってまたドアを閉める。 色々辱められている気持ちだった。
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