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さんざん三人で飲んだが、今日こそ間違いを起こすまいと、透は途中で烏龍茶に変更した。 東堂が「また襲われると思ってびびってる」とケラケラ笑っている。 「あー、お前とだけは、もう間違いを起こしたくない!」 透が言うと「モテ自慢かよー」と、井坂が拗ねて言った。 「まあねー、酔ってても人って自然に相手、選ぶよね」 東堂に言われて井坂は、更に落ち込んでしまった。 「お前らなんか、スキャンダルに巻き込まれて、会社で居づらくなりやがれ!」と怒る井坂の頭をまた東堂が張っている。 透は、それが面白くて、涙を流して笑った。 ストレスなんか無いと思っていたけれど、こんな風に発散していると、やはりストレスがあったんだな、と思う。 神崎は、どうやってストレスを発散しているんだろう。あんなにいつも周りのことばかり気にして、相手を大切にして。きっとストレスが溜まっているに違いない。 自分に出来ることがあれば、なにかしてやりたい、と思った。
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