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二人と別れて終電に乗り、家に帰った。 帰る途中でコンビニに寄り、ビールとツマミを買う。 もう少し飲みたかった。 これまでひとりで生きてきて、淋しいと思うことは無かった。それなのに今日は、このまま帰ってひとりになることを想像すると、飲まずにはいられない。 正直、神崎に会いたかった。 山口達が神崎の笑顔は癒しだと言っていたのを思い出す。 今更ながら、それを認めざるを得ない。 帰り道で、思わず神崎に電話を掛けた。 『もしもし?透さん?』 「ああ、神崎か?今日は女の子達と飲みに行ったのか?」 透は、なるべく平静を装って聞いた。 『はい、連れて行かれました。透さんは、東堂さんと?』 「ああ、同期でな。東堂と井坂の三人で」 『そうですか』 しばらく沈黙があり、神崎が口を開いた。 『ありがとうございます。電話。初めてですよね、掛けてくれたの』 「そうだな」 透がすっかりロマンチックな気分になっていると『誰と話してんの?』と神崎の後ろから女の声が聞こえた。 「え?誰かいるのか?」 『あ、すいません、ちょっと母親が来ていて。じゃあまた明日。失礼します!』 神崎は慌てて電話を切った。 さっきの東堂の話は、本当だったのだろうか? 透は、どうしたら神崎を救えるのだろうかと考え込む。 ひゅうと夜風が吹いて、透は、自分で身体を抱きしめた。 夜は、まだまだ冷える。 いつの間にか神崎のことばかり考えていた。
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