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その日、翌日特に予定も無かったので、神崎の部屋に泊めて貰うことにした。 「なんかお腹空きましたねえ」 と神崎が言って透が同意すると、神崎は、冷蔵庫の中の残り物を使って簡単に食事を作ってくれた。 残り物と言っても、キングサーモンのカルパッチョや、高そうなカニ缶の蟹玉、あとはバゲットにニンニクを刷り込んで軽く焼いたもの、それに一流ホテルのレトルトのオニオンスープ、という透にしたら豪勢なご馳走だ。 「うわ、うまそー」 透がシャツと下着を身につけてテーブルに着くと「ワイン飲みますか?」と神崎がこれまた高そうな白ワインをワインクーラーから取り出してニコニコしている。 「あ、ああ、ありがとう」 こんなに贅沢で幸せで、俺は明日死ぬのか?と透は少し怖くなってしまった。 白ワインで乾杯し、二人で食事をした。 セックスの後の酒と食事は最高に美味い。しかも、こんな綺麗で若いイケメンと……。 透は神崎の顔を眺めながら、幸せに浸る。 「俺、バチ当たるんじゃないかな、こんな幸せで……」 透が思わず言うと「何言ってるんですか、このくらいで」と神崎は笑っている。 このあと、もし母親に刺されても文句は言うまい、と透は思った。
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