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それから数日後。 東堂と神崎と透とで食事に行くことになった。 三人で会社を出て、神崎が予約してくれたイタリアンレストランに向かう。 「東堂さんのイメージにピッタリのお店なんです」 と神崎に言われ、東堂は、すっかり上機嫌になっている。 本当に仕事の出来るヤツ、と透は感心してしまった。 「ここです」 「うわ、ここ?」 想像より数倍は立派な建物に、どデカイ木の扉。 開けようとすると、中からドアが開かれ「神崎様、いらっしゃいませ」と黒服が礼をして迎えてくれた。 「ありがとう」 神崎は礼を言って「さあ、東堂さんどうぞ」と軽く手を取る。 何もかもがスマートで、女性なら誰でも堕ちてしまいそうだ。 東堂もさすがに緊張している様で、手を取られたまま奥の席まで歩き、三人でテーブルに着いた。 「素敵なお店ねえ……高いんじゃないの?」 東堂が不安そうな顔で神崎に聞いた。 「素敵でしょう?以前よく家族で利用してたんです。東堂さんのイメージにピッタリだと思って。値段はそれほど高くないですよ。心配しないで下さい。むしろ東堂さんならこの位のお店じゃないと、と思いまして」 「やだ、上手いこと言って」 神崎におだてられて、東堂はすっかり舞い上がっている。 今ならどんな頼みも聞いてくれそうだと思った。
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