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2 私は、男に言われた通りに切符売り場に行った。 長い行列である。 私は、何故この様な場所にいるのか、解らぬまま最後尾に身を置いた。 そして、今までの記憶を呼び起こしていた。 ………たしかあの時…………。 私に渡された切符は、S5と書いてある。 ……どう言い意味だ?…… 私は、解らぬまま押し出されるかの様にプラットホームに行かされた。 プラットホームには幼い子供も居る。 年老いた人達も居る。 何故か、みんな虚ろな目をしている。 私もこの様な目をしているのであろうか? 列車が入ってきた。 ……今時、蒸気機関車が走っていたのか?…… と、思っていると、駅員からS5行きの車両に案内された。 行き先は車両毎に別れるみたいだ。 このS5の車両に居る人達は、それほど多く無く、私をいれても、 20人も居ないみたいだ。 だが、この車両の人達は、何故か表情が険しく悪そうな人達ばかりである。
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