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案内された洞窟の中は、狭く身動きもままならない処であった。
何故かみんなは、体育座りするかの様にしゃがんでいる。
その人達の眼光には光も力も無い。
虚ろな眼差しは、ここでの生活を表している様だ。
……私もこんな場所で暮らして行くのか?……
と、不安に襲われた。
新入りの私を見て、近づいて来る男が居た。
「また、会ったな」と、
彼は私を見るなり、襲いかかってきた。
……苦しい。殺される!……
と、感じるのか?と思ってみたが、何も感じ無かった。
そう、私達は死んでいるのだ!
殺されたりはしない。
「おい、おまえ、何故俺から脳を奪った?何故俺を殺した!」
と、吠えてきた。
私は、包み隠さずに、男に言った。
「おまえ達、暴力団を壊滅させる為だ!」
「壊滅させる為だと?それで女を使って俺を嵌めたのか!
あの女はどこにいるんだ?」
と、大声を張り上げている。
「おい、そこの奴うるさいぞ!うるさくしていると看守が来るぞ」
と、誰かの声がした。
野崎は、私の腕を掴み 人の居ない処に連れて行った。
この洞窟の広さは、来たばかりなので解らないのだが、
何故か、人の居ない空間があった。
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