第1話

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第1話

 誠君の発達障害がわかってから、家庭は荒れて、誠君の両親は離婚になって、誠君の母は子供全員引き取りたくても、子供三人の親権をとられてしまった。  そんな、誠君を支えたのは私だけど、なぜか誠君は私のことを好きにならない。  私は、小さい頃から誠君が好きで、こんなライトノベルみたいなハーレムを送るよりも、私に一途でいてほしくても、彼にはそれが伝わらない。  私の名前は、西園寺(さいおんじ)あかね。  男子大生の幼馴染に思いを寄せ女子大生。  身長は高くもなければ低くもない、150センチ代後半。  兄の勇気さんにどんなに言い寄られても、私の本命は誠君に決まっていて、浮気男なんて相手にしない。 「俺、好きな人ができちゃった」   「今度は、どんな人?」  幼馴染全員に、思いを寄せるとかはしないでほしい。  だけど、あいつは告白しても、振られる。 「今度こそ、幼馴染じゃない人。 というか、幼馴染だと、勇気の野郎に、奪われるからだめ。 だから、幼馴染以外にしようかなって」 「そろそろ、だれなのか言ってくれない?」 「先輩だよ。 スポーツサークルの体育先輩」  あいつか。 「巨乳じゃないけど、いいのか?」 「巨乳なんて、浮気されるだけだし。 勇気にとられるから、いやなの」  その言葉に、私も巨乳だから、傷つくところがある。 「あかねちゃん、今は貧乳の時代なの」  女性のことを、胸で判断しているのかな?  本人は自覚がないのだろうけど、思ったことをそのまま言葉にしてしまう傾向があるから、それが相手を無意識に傷つけてしまうことがある。 「だから、一緒にサークル入ろう。 あかねちゃんにも、体育先輩の良さを知ってもらいたいから」 「入るって、そのサークル、誠君はできるの?」 「できるかできないかじゃない、やるかやらないかだよ」  私は、誠君が弟みたいでほっとけないから、面倒を見てしまうところがある。  結構、無謀なところがあるって、わかるでしょ?  私と、誠君は、異世界の大学にいる。  その理由としては、話すと長くなるけど、私も誠君も、二人で同じ学校に行った方が安心するというのが一番、大きいかもしれない。  私は、水色とも呼べるような青髪ショートヘアーで、誠君に片思いをする幼馴染で、性格は自分で言うのもなんだけど、世話焼き女房。  同じ大学の男子たちからは「お色気要員」と呼ばれるほど、自他ともにスタイルはいい方だけど、誠君には全然見向きもされない。  露出が多い服をあえて着ているのに、誠君はそれでも他の女性のところに目がいく。
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