初恋の音。

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初恋の音。

──────ある日の放課後。 リンッと頭に音が鳴った気がした。 そんな私の目の前には。 「あのね、実は...............」 ほんのり頬を赤らめながら、 私に1年生の時のことを話す女の子。 2年生になってから、 友達になった、守田稀帆(もりたきほ)。 「えーっ、駅のホームで、 助けてもらった人がいる!?」 その驚くべき内容に、 つい声を上げてしまった......... 「う、うんっ、」 でも、稀帆は気にも止めずに、 むしろ頬を余計に赤らめながら頷く。 「どっ、どんな人だったの!?」 でも、詳しく聞きたすぎて、 ついつい、大きくなってしまう声。 「あさこって、呼ばれてた人っ、」 あさこ? 聞いたことのない人物の名前を言う稀帆。 私が知ってる人なら取り持ってあげられるのに。
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