また、あえたね。

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 二年連続で飛び降り自殺に巻き込まれて死にそうになったと。しかもその人達がみんな私に同じメッセージを残したのだと。ひょっとしたら命を狙われているのかもしれないと。  わかっている。飛び降りに巻き込まれたというだけならば真剣に取り合ってくれたのかもしれないが、“少女の声で同じメッセージを言われた”が正直余計だった。これが加わってくるだけで、話は一気にオカルチックになってしまうのだから。  ホラー映画でもよくある話。警察は、幽霊や呪いなんてまず信じない。むしろ信じていい立場でもない。案の定、私が相談した交番のお巡りさんも、私がそう語った途端一気に胡散臭そうな顔になったものだ。 『えっと……何か、悩み事か何か、あったりしない?』 『え?』 『いや、飛び降り自殺を見るってすごくショックな出来事だったと思うんだよ。そのせいで、疲れて余計なものが聞こえたような気がしてしまったとか、そういうことはないかな?人間の心って繊細だから、珍しくないんだよそういうこと。一度、カウンセリングに行った方がいいよ。なんなら、いいところ探してあげようか?』  先に言っておくと、そのおじさんのお巡りさんは断じて不親切だったわけではないと思う。常に優しい口調で話しかけてくれたし、こんな拙い話にもちゃんと耳を傾けてくれたのだから。  それに、もし私がお巡りさんと同じ立場だったら、きっと似たような反応をしたと思うのである。私が女子中学生でなかったら、クスリでもやっていると疑われてしまったかもしれない。オカルトな現象が起きていると思うより、ストレスやクスリで幻覚を見ていると思った方がよっぽど話の筋が通るというものだ。  そう、冷静に考えればわかるのだけれど。  自分の言っていることを信じて貰えてない――その事実にショックを受けるのは、致し方ないことであったのではなかろうか。 ――どうしよう。絶対、絶対何かおかしいのに……!  そして、諸君が予想している通りのことが起きたわけだ。  翌年も、私は飛び降り自殺を目撃した。その時は一人で家に帰る途中だった。靴紐がほどけそうになって直前で足を止めていなければ、やっぱり激突して死んでいたことだろう。  落ちてきたのは、近所の別の中学の女の子。  彼女はぐちゃぐちゃに潰れる寸前に、やっぱりこっちを見ていた。そして今回はその表情もはっきり見えたのだ。 『また、会えたね』  彼女は確かに笑っていた。  私を見て、心から楽しそうに笑っていたのだ!
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