目が覚めると

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目が覚めると

 目が覚めたら見慣れない部屋にいた。  昨夜自分がしたことを思えば答えはすぐに出る。  病院だ。  だるい。  また目を閉じる。  眠剤を飲んだ。たくさん。死んでも生きても、どちらでもよかった。  今冷静になってみると、中途半端に生きていたらどうするつもりだったのかという事を考える。  ベッドの上で色々自分の身体を動かしてみたが特に不都合はなかった。  起きてすぐに、採血をされたが、退院するまでに来た担当の先生が、 「肝臓や他の臓器への影響もなかったから。」  と私に告げた。  よかった。昨夜の事を考えると自分がどうかしていたとしか思えない。  いい年して何をしているんだ。  カッとしたからと言って、性急に答えをだしすぎる。  結果夫を責めた形になってしまって、本当に申し訳ないと思った。  夫がお昼前に病院に迎えに来てくれて家に戻った。  何度も謝ったが、その度に 「謝らなくていいから。」  と、言ってくれる。  一日過ぎてしまえば自分の中では、眠っていた間に起きたことはまるっきりわからなかった。  夫は 「病院着いてすぐ、PCR検査してたけど、陰性ですって言われてたよ。」  と教えてくれた。覚えていない。そうか。陰性か。それはよかった。  夜中から一泊入院して昨日のお昼に帰ってきて、今日は朝から皮膚科や内科に通院した。  そして今、こうしてエブリスタを書いている。 また会えたね。  こんな風にPCに迎える自分にそう言って、やらかさないように生きていかなければいけないね。 【了】
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