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見ると魔王の後ろ、死角にアズ、クルクス、ソーヤが立っていた。
アズは杖、クルクスとソーヤは弓矢を構えている。
先ほどのはクルクスとソーヤの矢と、アズの魔法がゲルテに当たったのか。
アズのはステータスの弱体化魔法だろう。
ゲルテの魔法の手の締め付けが少し緩んでいる。
「3人共っ、なんで…………!」
ラナが未だ掴まれながら3人に言うと、アズが声を張り上げた。
「なんでじゃないよっ!!ねぇ、どうして何も言ってくれなかったの?そいつは何?ラナは、ずっとそいつを睨んでて、とっても苦しそうだよ!」
「………………!」
自分は無意識の内に、そんな風に見えるようなことをしていたのだろうか。
何で、こんなことも気づかれてしまうのだろう。
すると、クルクスとソーヤも口を開いた。
「ラナッ!戻るとか言ってたけど、それって本当に正しいことなのかよっ!そんなにそいつに、従わなきゃいけないのか?少なくともお前はっ、嫌そうに見えるぞ!」
嫌そうに見える?
自分はもう諦めたというのに?
「ラナがそんな奴についていくくらいなら、もっと俺達と一緒にいようッス!」
3人ともがラナに向かってそう言う。
確かに自分だって、出来るのならまだ3人とパーティーとして一緒にいたい。
だが、皆を自身の私情に巻き込む訳にはいかないのだ。
「でもっ、私はこれ以上一緒にいたら皆に迷惑がっ」
「そんなことない!私達が危険だったとき、助けてくれた人の何が迷惑だったって言うの!ラナとはまだちょっとしか過ごしてないけど、それでもっ!大切な仲間なの!」
アズは広場に大きく響く声でラナに向けて叫んでいた。それを聞いていたクルクスとソーヤも、大きく頷いている。
「私はっ、私達はまだ、ラナと一緒にいたいよっ!!」
「……………………っ!」
アズは、そう言った。
ああ、なんて素敵な人達なのだろう。
こんな情けない自分でも、大切な仲間だと、一緒にいたいと、言ってくれた。
ラナは涙を溢した。
本当に、3人といると泣いてばっかりだ。
おっちょこちょいだけど、優しいアズ。
クールだが、ラナのことを心配してくれるクルクス。
天真爛漫で、いつでも元気づけてくれるソーヤ。
私も、一緒にいたい─────
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