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翌日。
ジジジジジッ、ジジジジジッ
「ん……………」
昨日設定したいた時計のアラームが部屋中に大きな音で響き渡り、ラナゲイルは重いまぶたをゆっくりと開けた。
「………今、何時だろう。」
ラナゲイルはむくっと体を起き上がらせた瞬間にスイーツ店のことを思い出し、時計に手を伸ばした。
9時。
「…………………あ、あれ?」
全然早朝ではなかった。
久しぶりのベッドでの睡眠がよほど良かったのだろう。朝の6時に起きるはずが、3時間もオーバーしてしまった。
ラナゲイルは慌ててベッドから飛び起き、ショルダーを下げて部屋から出た。
まだこの宿屋には泊まるので、そんなに準備はせずに行った。
ラナゲイルは町の門の外に出て、辺りを見回してみた。確かこの辺にあると聞いたが。
普通に盗み聞きしたことだったので、正確に場所は把握していないのだ。
「………あっ!もしかして、あれ?」
ラナゲイルが見た方向には、普通の店に比べたら結構小さい、キッチンカーのようなものが門を出てすぐ横にあった。
人はあまりいなかったが、間違いなくあの店で合っているだろう。覆っている綺麗な桃色の屋根がとても似合っている。
ラナゲイルは駆け寄り、店のショーケースを覗いた。すると、とても美味しそうなスイーツが目に飛び込んできた。
真っ赤な苺がのったケーキや、まろやかそうなクリームがたっぷりのったモンブランなど、見ただけでもよだれが出てきそうだ。
「ほわぁぁ~………お、おいしそう……」
目をキラキラと輝かせながらラナゲイルは残り少なかったスイーツを購入した。
9時になってもたまたま残っていたので良かったが、結構ギリギリだったそうな。
「はー、なんとか間に合ってたみたいで良かった~………………って、ん?」
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