魔王専属秘書はやり直したい

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これは………助けないといけないのでは? そんな考えがラナゲイルの脳裏をよぎった。 あの3人は服装からして冒険者だろうが、何らかの事情があって戦えないのかもしれない。このまま見て見ぬふりをするというのか。 魔王のような非情さは捨てたのだ。 普通の人として、またやり直すために魔王城を出た。が、ここでまた戻っては意味がない。 そう思うより前に、ラナゲイルは駆け出していた。 一匹のゴブリンが、3人に向かって金棒を振るった瞬間────── ゴブリン全員が消滅した。  3人の前に立ちはだかったのは、一瞬のうちに魔法でゴブリンを消滅させた、ラナゲイルだった。 そして、ふぅと息をついて即座にラナゲイルは新たな悩みを抱えた。 な、なんて声をかければいいのだろう………… 助太刀に入ったのはいいものの、もしかしたら今大技を放つに必要なエネルギーを溜めていたところなのかもしれないし、魔物を観察する人達なのかもしれないしと、緊張で若干訳の分からないことを頭の中でぐるぐると考えていた。 と、とりあえず助けました感を出そう! 「あの、だ、だだだ大丈夫で………」 物凄く噛みながらラナゲイルは3人の方に視線を向けると、 「ありがとうぅぅぅう!今私達、凄く困ってたところだったのぉぉぉ!」 一人の女性が急に大声を出し、ラナゲイルの手をガシッと掴んで、ブンブンと握手した。 「え、あの」 「私達っ!実は魔法使いがパーティーにいないくせに武器を持たず薬草を採りに来てしまって!そしたらゴブリンが現れてもう大変な状況だったんだよぉ!」 ラナゲイルがいきなりのことに困惑しているのにも関わらず女性は喋った。 女性によるとこのパーティーはサポーター、武器使い、武器使いの3人で構成されていて、魔法使いがいなく武器を忘れてきた状態で魔物に襲われるという最悪な状況だったようだ。 そしたらラナゲイルが現れて助けてくれたという。どうやら役には立ったみたいだ。
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