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それから、毎日の散歩は『ステラのママ』の役目になった。
彼女にはプレイボウの意味が通じなかった。
ステラは走ったり、ジャンプすることもなくなった。
ボールを取ってくる遊びもしなくなった。
短い散歩から帰ると、玄関マットにおすわりをして、日がな男の帰りを待った。ステラはいつしか年をとった。
足が震え、目が見えなくなった。
もう走ることもできなくなった。
散歩に出ても、ほとんど抱っこされて、ときどきよろよろと歩くだけになった。
そして、玄関マットにうずくまって、一日を過ごした。
見えない目を、静かに閉じたまま。
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