ツイードジャケット

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息子は成長し、いつしか父と同じくらい背が高くなった。 ある日、母親が寝込んでしまい、息子にステラの散歩を頼んだ。 息子がステラと散歩するのは、久しぶりだった。 ステラは毛が抜けやすい犬種だったから、息子は自分の服を着たくなかった。 クローゼットを引っ掻き回して、古いツイードのジャケットを探し出した。 袖を通してみると、ぴったりだった。  さあ、散歩に行こう! 声変わりした息子の声は、父親そっくりだった。 玄関にうずくまっていたステラの耳が、ピンと伸びた。 首を伸ばせるだけ伸ばして、鼻をピクピク動かした。 マズルに並んだ星が踊った。 息子が抱きあげると、ステラはジャケットに鼻を擦り寄せて、匂いをクンクンと嗅いだ。  また、会えたね! ステラの尻尾が揺れた。 〜終わり〜 2017年5月1日 星になったステラに23e7a702-29ac-458a-9e26-fdcecdb29a5f
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