3章

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「到着〜!」 すごいゆっくりだったし、休み時間の時に生徒と会わないように隠れてたりしたから時間めっちゃかかったけどなんとか到着した。 まずは第1校舎の1階の3年生から回って行って2階3階まで行ったら今日の見学は終わりにする。 3年生と2年生のクラス全部をこっそり覗いてみる、ほとんど同じ光景だ。真面目ノートをとっている人、眠気と戦っている人、寝てる人、スマホをいじっている人、早飯を食べている人、こっそり喋っている人。 あと先生によって教室の雰囲気も違った。少し怖そうな先生の時はみんなピリピリしてて、優しそうな先生の時はほんわかしてて、面白い先生の時は元気で明るい雰囲気だ。 どのクラスも仲が良さげだし。 この先、僕が教室で授業を受けることがあるかわかんないけど、こんな感じのクラスだったら学園生活も楽しそうだと思った。 1年S組が1番最後に見たクラスだ。自分のクラスでもある。 別にほかと変わっているところはなく見える、が…なんかクラスの人達が1人の少年に好き好きオーラみたいのを出している気がした。 オーラなんて目に見えるもんじゃないし、そんな気がしただけなんだけど…どの人もチラチラ少年のことを見ている。 実際その少年は可愛らしい顔つきをしていてきっとモテるんだろう。その上金髪青眼、モテる要素だけを詰め合わせた見た目をしている。 「あの子モテモテだね〜」 「ですよね」 やっぱそうだよね…よかった僕だけじゃなかった。 プルルルルルル 「もしもし三津で〜す、何かありました? …………まじかぁ……はい………すぐ戻るからちょっと止血しといて〜………よろしく、じゃまたね〜……そろそろ帰ろっか〜」 「三津先生戻らないとじゃないんですか?」 「そうだけど遥くんを寮に送り届ける方が…」 「いや、誰かやばい状況なら行ってください。僕なら寮まで1人で帰れますし」 「でもぉ」 「さようなら」 そのまま自分の部屋を目指して来た道を戻る。1人で帰れるとか言ったけど多分帰れない。なんてったって方向音痴だから! だとしてもさっき休み時間が終わって授業が始まったばかりだからちょっと校内をさまよっても誰とも合わなくて済むはず。 なんてこと考えていた自分をぶっ飛ばしたい。こうなるって分かってたら止血してる生徒ほっといて送ってもらえば良かった。 あれから1時間以上さまよって、昼休みに突入したが1番混みそうなところから逃げ、ほとんど人がいないところに来たがその代わりに校舎ごと見失った。周りの気が少し生い茂りすぎている。 自分が学園の敷地内にいるかすら怪しくなってきた。 今日は野宿かもしれない
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