笑顔と仮面 「僕、私。」

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「一話。」 笑顔。 それは人が笑った顔。 楽しかったり、面白かったり。 そんな時にふと出る。 私は、そんな笑顔が………… 大嫌いだ。 人はいっつも上っ面だ。 表裏一体なんて夢のまた夢だ。 ただの理想像に過ぎない。 ピエロみたいにただの演目の笑顔なんて日常にあふれている。 私はそんな笑顔には惑わされない。 だから、自分を隠し、表情や素顔を知られないために仮面をつけた。 誰とも共感しないために。 一人ですべてをこなすために。 大人に頼らないために。 でも日本は学歴社会。 学校には行かなくちゃ。 もちろん仮面をつけて。 誰にも…………知られたくないから。 でも、みんなは理解してくれない。 なんで仮面付けてるの?と何度も聞かれる。 男子は外そうとしてくる。 いやだって言ってもお構いなし。 女子は気味悪がって拒絶してくる。 先生も外せと口うるさく指導してくる。 私は外したくないって言ってるのに。 なんで? 生徒の意見を尊重してよ。 私の意見を聞いてよ。通してよ。 なんで?なんで?なんで? 私は社会からはみ出てるから? 私が社会からはみ出て何が悪いの? そんなに都合のいい大人にしたいの? はあ……めんどくさくなったな。 じゃあ、いいや。 私は学校を捨てる。 交流なんていらない。 一人で……一人が……いい。 それを校長に伝え、家に帰る。 仮面を外し、鏡の前に立つ。 いえるわけないか。 私…じゃなかった。僕。 男の娘だなんて…………ね。
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