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°°°°° 明るい朝日が窓から差し込んで、秋なのに部屋の中はポカポカしていた。 わたしの右耳と、肩も温かかった。 修の左鎖骨の下の窪みに、スッポリとおさまっていたから。 左腕で、肩を抱えていてくれたから。 わたしがスリスリすると、修の長い腕が、わたしの肩をギュッと抱き寄せる。 長い、長い、腕。 長い、長い、指。 ポカポカ、ポカポカ…… サラサラのシーツも気持ちいい。 替えたばかりのシーツって、どうしてこんなに気持ちがいいんだろう。 サラサラ、サラサラ…… シーツの気持ちよさに足を少しバタつかせ、そのまま修の足に絡める。 足も長い……頭ひとつわたしの方が下にさがっているのに、修の爪先まで全然届かない。 ん〜〜〜、好き。 ん………あれ? いいのかこれ。 「ねぇ、修?」 「ん…なに」 寝てたっぽい。起こしちゃったか。 でもこれだけは確認しないと。 「ねぇ、いいの?これ」 「なにが」 こっちに向き直り、今度は両腕でわたしを抱き締める。 あぁ、幸せ……じゃなくて。 「……笠間さんだよ」 「んーー、もうとっくに別れたよ。だって」 えっ!?どーゆーこと!? 嘘でしょ!? 「だって、あいつ、イカ食えないんだもん」 °°°°° ………目が覚めたわ。 美奈ちゃんのおかげで変な夢見たわ。 “イカが食えないから別れた” ってそんなわけあるかいっ! ご都合主義な自分の夢に、苦笑いをした。 でも、夢とは言え 腕枕してもらった感触は、やけにリアルだった。抱き締められた時の、修の胸元の温かさも、肌のなめらかさも。匂いさえも。 舞台もまさにここ……わたしのベッドだったし。 昨夜寝る前に替えたばかりのシーツがサラサラしてる。 リアルだったのも納得。 “夢とは言え” 過去の、リアルな記憶だったのだから。
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