プロローグ

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そう。 お察しの通り、わたしは失恋したのだ。 これまでにないぐらい、けちょんけちょんに打ちのめされた。 最初に付き合っていたのは間違いなくわたしだったのに 彼は他にも彼女をつくりやがった。 周りには大っぴらに交際宣言をしていなかった。 当時はそれがベストの判断だと思っていたけど、 裏目に出てしまったのかもしれない。 彼女は気づいていなかったのね。 自惚れでなく、彼はわたしにご執心だったし わたしも、彼と雑談することが多かった。 少し勘のいい人なら気づいていたはず。 同じ社内でやるなよ、と思う。 部署が違うのが、唯一の救いかな。 負けず嫌いのわたしは、こう思った。 仕事も、女としても。 絶対彼女には負けたくない。 彼は取られてしまったけど、 1人の女性として、彼女には気後れなんてしたくない。 勝手にライバル心を燃やされて 彼女は迷惑だろうけど。
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