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4人で駅へ向かい、「今日はほんとにありがとうございました」と伊佐さんと佐藤さんに頭を下げた。
結局ご馳走になってしまった。
「いいのいいの、もう言いっこなしね〜。じゃあ俺、こっちだから」と、伊佐さんがわたしの路線の方を指さして佐藤さんに言う。
佐藤さんはエッ?というような顔をして、それからわたしに、意味深な目線を送った。
「じゃー俺は原口さん送って行くわ。お疲れ〜」
と、美奈ちゃんと連れ立って行ってしまった。
美奈ちゃんも振り返ってニコニコと手を振っている。
「はいはいはいはい」と、また鞄で押すように促される。
これはもう、断っても送ってくださるつもりなんだな、と観念する。
また、最寄り駅から自宅までは“電話で”送ってくださるのかな?と思い出して少し笑った。
「原口さん…美奈ちゃん?感じのいい子だね〜」
「そうでしょ!?前の会社のときからすごく仲良くしてて。明るいし〜、社交的だし〜、気が利くし〜、とってもいい子ですよ」
「佐藤が惚れちゃうかな(笑)そしたら協力してあげてね〜」
「佐藤さん!?…考えたこともなかったけど、お似合いかも………」
電車の中で架空のカップルを作り上げ、あーでもないこうでもないと笑い合った。
「森田さんは?彼氏は?」
うわ、ついに聞かれてしまった。
「もう随分いないですよ。入社して半年以上、一度も話題にのぼってない上に、今日美奈ちゃんとお祝いしてたことで察してくださいよ」
「あはは、そういえばそうだね。失礼、失礼(笑)」
笑わないでくださいよ、こちとら未だ傷心中。
「そういえば…伊佐さんどうしてわたしの誕生日…今日だって知ってたんですか?話しましたっけ?」
「あーー、それ聞いちゃう?言わなきゃいけない感じ?」
いや、言わなくてもいいけど…素朴な疑問。
「おっと、駅、駅」
最寄り駅だ。
今回は鞄で押されることなく、スムーズに電車から降りた。
改札を出て向かい合う。
話しは途中になってしまって、謎は謎のままだけど。
また、電話かけてくださるのかな?と思っていると
伊佐さんは「少しだけ、付き合ってくれない?」
と、駅前のコーヒーショップを指さした。
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