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「最初は、仕草に品のある女性だなぁ、という認識から始まった。結菜ちゃんの手元に見惚れてしまっていたのも本当のこと。
今もついつい見ちゃうけどね。
歓迎会の時に、いきなり『好きです!』なんて言ってしまったけど、あの頃はこんなに本当に好きになるとは思っていなかった。
…そう、俺は結菜ちゃんのことが好きなんだ。
その手元は勿論、顔も、佇まいも、雰囲気も、考え方も、仕事に対する姿勢も、ね」
真っ直ぐにわたしを見つめる伊佐さん。
「……っ」
口を開きかけたわたしを手で制する。
内心、少しホッとする。
何か言わなければ、と思って口を開きかけたけど、何を言ったらいいのかわからなかった。
「質問は、最後で、ね」
「…はい」
「俺は……結菜ちゃんと、ご飯を食べに行ったり、飲みに行ったり、出かけたり出来る間柄になりたい。みんなとじゃなくて、2人でね。
結菜ちゃんのことをもっと知りたいし、俺のことももっと知って欲しい。
結菜ちゃんの喜ぶことをしてあげたいし、困った時には手助けしたい。悩んでるときには相談にのりたい。
嬉しいときには一緒に喜んで、悲しいときには半分請け負ってあげたい。
結菜ちゃんの心の拠り所になりたい。
いつ何時、何があってもいつも俺は結菜ちゃんの味方でいるよ」
頬が熱い。
温かいカフェオレのせいだけではない。
こんなに想っていてくれたことを知らなかったし、
こんなにストレートに想いをぶつけられるとは思っていなかった。
告白されるのかも?と思ったときに想像していたよりも、もっとずっと強く心を揺さぶられていた。
「だけどね、『恋人になってください』とは言えないんだ」
………え??
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