初冬

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今日はまだ月曜日だし、軽く食事をして帰ろう、ということになった。 会社からほど近い、こぢんまりした洋食屋さん。 テーブルを挟んで向かい合って座ると、昨日も2人で食事したのに、まだなんとなく落ち着かない感じがする。 メニューを広げ、海老グラタンとサラダと本日のパンのセットを選ぶ。 「結菜ちゃん、エビも好きなの?」 「好きです。イカばっかり食べてるわけじゃないですよ(笑)」 「他には?何が好き?」 「えっとー、カニも好きだし、ウニも好きです」 「よしっ、決まった」 ??もしや… ウェイターさんを呼び止めて、伊佐さんが注文する。 「海老グラタンと、ウニクリームパスタ、両方ともサラダとパンのセットで」 ウェイターさんが去った後に伊佐さんに抗議をする。 「伊佐さん〜〜〜…」 「何?好きなもの2種類も食べられて嬉しいでしょ?」 やっぱりシェアしてくれる気だ。 「伊佐さんが食べたいものを食べてくださいよ〜んもぅ〜」 「いや、俺は“結菜ちゃんファースト”だから!」 威張って言われても…。 わたしの複雑な表情を見て、伊佐さんが言った。 「結菜ちゃんはね、俺に甘えてりゃいいんですっ」 甘やかし過ぎじゃなかろうか。 先に届いたサラダを食べながら、「ふふ」と笑った。 「どうした?」 「なんか、まだ慣れなくて。こうやって2人でご飯食べてるの、変な感じです」 「早く慣れてよ〜。って、俺もまだ夢見てるみたいな気持ちだけどね。結菜ちゃんの食事する手元も見放題!独占!」 大袈裟な伊佐さん。 取り皿を貰って、パスタとグラタンを半分ずつシェアした。 わたしから受け取ったグラタンのお皿を見て、ポイポイとわたしのグラタンに海老を戻してくる伊佐さん。 「ちょ、これじゃあ海老が不公平です!」 「いーの、俺はホワイトソースとマカロニが好きなの!」 ……もういいや。海老戻しても絶対返ってくるやつだこれ。 「わたし、伊佐さんと居たら太っちゃいそう…」 「いくら太ったっていいよ」 本日2度目の、“甘やかし過ぎじゃなかろうか”
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