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「ごめんね、忙しい思いさせたんだね〜」
と、わたしの髪のまとめ上げている部分をチョイチョイ、と弾いた。
後れ毛とか、遊ばせてるとか、そんなオシャレなものではない。ただ、ぐるっとやって、パチンとやっただけ。
恥ずかし過ぎて何も言えずに俯いた。
「いや、ほんとにカワイイよ!思ってた姿とは違ったけど」
またぶくくくく、と笑う。
「はい、お土産」
と渡された袋の中は、ビールとハイボール、缶チューハイ、ちょっと高そうな日本酒。
「わーすごい!嬉しいです」
「結菜ちゃんケーキとか買ってきても喜ばないと思ってさ、酒しか思い浮かばなかった」
大正解です伊佐さん。消耗品?ですし(笑)
でも結局また、お金を遣わせてしまったな。
「じゃ早速ですけど、お昼にしましょうか」
用意していたお昼ご飯をダイニングテーブルに並べる。
クラブハウスサンドの中身は、ハム、ドレッシングで和えた千切りキャベツ、キャロットラペ、トマト、レタス、チーズ、目玉焼き。盛りだくさん。
ラップで巻いて落ち着かせていたクラブハウスサンドを、ドキドキしながら半分に切ると、目玉焼きの黄身がうまくど真ん中でトロリとしていて、ホッとした。
食べやすいようにクッキングシートで包む。
スープはクラムチャウダー。
付け合わせは玉ねぎとツナとキュウリのサラダとフライドポテト。
出来るだけ食材が被らないように意識したけど、クラムチャウダーにはジャガイモと人参と玉ねぎが欠かせない。
そこだけは被ってしまった。
「おおーー、すごい!美味しそうだね〜、そりゃ着替える時間も無くなるよね」
ぶくくくくく。
え、もうそこ終わってもらっていいですか。
いつまでイジるつもりですか。
まぁ目の前にこの格好でずっと居るんだから、仕方ないですけどね。
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