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「………お疲れ」
仕事を終えて車に乗り込もうとした時、
声をかけてきたのは思いもよらない人だった。
まぁ、声ですぐに『修だ』と分かるけど。
「あー、お疲れ様〜!今終わり?偶然だねぇ」
「いや、待ってた。少し話しあって」
ちょっとビックリする。
『……あのさ、』の続きか。
なんの話??っていうか、2人でいるところ彼女に見られたら、あらぬ誤解を招くのでは。
「え、ここで?」
ここは会社が借りてる駐車場だ。
彼女は電車通勤だけど、駅までの道すがらだから
通りかかるかもしれない。
部署が違うから、もう帰ったのか、仕事中なのかすら知らないけど。
「メシ、行こ」
はーーーーー????
いいのかしら、これ。
まぁでも、彼に限らず会社の人と寄り道することはある。飲みに行くこともある。
考え過ぎかな。
っていうか、「話し」ってなに。
胸の中が小さくざわついた。
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