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「何でこんなに芝があるかって?」  ナオちゃんとレンくんは互いに見つめ合うと、にやりと笑い同時に駆け出した。そして同時に芝生の上に寝転がると横向きにくるくる回ってすごい勢いで下っていく。  それに続き、リッちゃんとサトちゃんもごろごろと転がる。私はぎょっとしたが、気持ちよさそうに見えてみなを追いかけるよう身を芝生に委ねた。  これは……何て柔らかいんだろう。芝生の上は私の想像を遥かに超える心地のよさだった。  刺々して見えた芝生は、体を包み込むように優しくて弾力性がありベッドそのもの。背中がくすぐったいのを除けばここで朝まで寝ていられると思った。背中いっぱいに太陽の温かさをぬくぬくと感じて、このままここにいたら大の字で回転しながら宙に浮いてしまいそうな気がした。 「ミコちゃん、はやくー!」  リッちゃんが呼ぶので思いきって横向きにごろごろと回る。ヤバい。思った以上に速い。空が回ってる。地面が回ってる。もうどっちが上だか下だかわからなくなって笑いが込み上げてきた。  そうか、地球は丸いんだったな。そう思うとさらにお腹の底からおかしさが込み上げてきて、危うく声を出しそうになっていた。 「芝畑どうね?」  レンくんが尋ねる。  私は両腕を使って大きな丸を作った。 「お、珍しいやん。うなづく以外の返事なんて」  ナオちゃんが笑う。  うんうんうん、と私は三度うなづく。でもやっぱりこの芝畑の意味が謎だったので、芝生を指さして首をかしげる。
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