貧乏神は満たされない。

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僕は母に釘付けになった。 母はのんきに笑っている。 時々母が身体を掻くたびに、ドロリと液体がたれていく。その液体から少しずつではあるが何かがでできているのだ。 母はママ友たちに、手作りの惣菜を渡した。 これでママ友の会は、お開きになるようだ。 母から出ているドロドロから小さいおじさんが顔を見せていた。母は肩が凝るのかしきりと首を回していた。  ママ友と入れ代わりに弟の慎司が帰ってきた。 弟は自由人で学校からまっすぐ帰宅したことはない。どこを歩いてくるのか、1時間近くかけて帰宅する。学校は歩いて10分なのに。 母は弟を叱りつけ、弟はトイレに駆け込む。 いつものパターンだ。 「しかし今日は肩が凝る。隆後で肩叩いてくれない。いやね、貧乏も肩こりも治らないんだから。」 「母さん気づいてないの。」 僕は母に聞いてみた。 母は、台所に行きせんべいを食べていた。 というか、おじさんに操られ食べさせられていた。 「何に気づくの。お母さんいつもと変わりないわよ。」 変わってるよ十分に。 おじさんが背中にのっているんだよ。 僕は母に近づき肩を揉みながらドロドロをはらった。母の背中から落ちたおじさんは僕を睨んだ。 おじさんは、着物を着ていて、全体的に汚かった。 「何で邪魔したんだ。」 おじさんが僕に話しかけてきた。 さて僕はこれからどうするのが正しいのだろうか。 おじさんの着物をよく見ると貧乏神と書いてあった。
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