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ワラシさんを、僕の部屋に案内した。
あれこれ見たワラシさんは、言った。
「汚い。男くさい。」
ワラシさんは、イライラし始めた。
「おい、出てきやがれ。貧乏神。」
ワラシさんは、ふすまを勢いよく開けた。
なんとそこには裸の貧乏神がいた。
風呂に入れた後の貧乏神は美男子に生まれ変わった。そしてその美男子が全裸で立っているのだ。
「何してんだ。」
「ほら早くおいで。」
ワラシさんは、グーで、貧乏神の顔面を殴った。
貧乏神が服を着る間、ワラシさんが貧乏神について話しだした。
「私とあの人は一時期付き合っていてね。
だけどあいつったら、女遊びがやめられなくてね。
あちこちの女と遊んでた。
私達の世界の人と遊ぶなら私も許せたのよ。
当たり前に起こることだから。
私が許せなかったのは、この世の女に手を出し、その子の家を破滅させたこと。
可哀想に。その子、遊郭に売られそうになったの。私が助けなければ、どうなっていたことやら。
とにかくあいつは許せない。
またあなたとあなたの家族に迷惑かけているみたいだし。
あいつを追い払うには、女を与えるのが1番なのだけど、女が可愛そうだから私たちの住む世界の女をあたえなくてはならない。
ねぇあなた、私に力を貸して。
こいつをあの神社に運ぶよ。」
僕は、貧乏神を背中にのせ、ワラシさんと神社に向った。
ワラシさんが言うように女を用意したと言うとかなりおしゃれをした貧乏神が、ふすまから現れた。
家を出るには、この家の誰かに助けてもらわないとダメらしく僕の背中に乗ったのだ。
神社につくと、ものすごい速さで貧乏神は、階段を登って行った。
そしてベンチに座った。
ワラシさんは、僕とあがりお社の前に座り、呪文を唱えた。
すると、お社の扉が、自動で開き天界の女性が出てきた。パリコレみたいにランウェイする女性たちは、どの人もスタイル抜群なうえに、顔も素敵だ。
僕は只々みとれてしまった。
パリコレに出るようなきれいな人に出会ったことなんてない。母さんなんて足が猫のマンチカンくらいの長さだし、顔も平たい。
こんな人と付き合う貧乏神ってやはり神様だと改めて思った。
「誰が良いのだ。」
ワラシさんは、言った。
「全員良い。だけど、お華ちゃんが一番良いから、決められない。」
「華は、人間だから死んでいる。生まれ変わった姿はこの子のお母さんだが、また華を苦しめることになんの意味がある。」
母さんが、華さんだったのか。今じゃマンチカンだぞ。
「華ちゃんは、今でも元気で温かい人だ。
見た目も何度生まれ変わっても変わらない。
華ちゃんが、あんな男といることは幸せなの。
僕は華ちゃんが幸せになるためにあの男と別れさせたいだけだ。」
「馬鹿かお前は。」
ワラシさんは、貧乏神の首をしめた。
「人間の幸せを判断できるのか。
華は幸せだぞ。それが証拠に笑っているではないか。
この子を見て優しい顔をして笑っている。
お前などより、幸せだ。
いい加減にして、天に帰れ。」
貧乏神は、泣き出した。
大声で泣き出した。
そこに、ユニコーンに乗った美女が現れた。
「華ちゃん。」
華さんの魂は生まれ変わったが、過去の肉体は神となりあちらにいるらしくそちらが、来たのだ。
「さあ、私と一緒にいきましょう。
世の中には、悪いやつがたくさんいます。
その悪に目を向けましょう。
私と一緒に。」
ユニコーンや、貧乏神、華さんが去ったあとは、お社の扉が閉まり日常の神社に戻った。
「さあ帰ろう。あんたのうちに。」
ワラシさんは、僕の手を握り僕の家に帰った。
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