0人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日から僕は家中を片付けることになる。
ワラシさんが、お母さんに乗り移りあれこれ僕に指示を出していく。
家が、少しずつきれいになるにつれて気持ちもスッキリしていく。貧乏な割にはたくさんものがあるもので一部屋片付けるとごみ袋3つ分くらいゴミが出る。
約5日かけてきれいにした自宅はピカピカになった。毎週休日が掃除になり辛かったが、その価値があるくらいの出来栄えだ。
最後にワラシさんは、呪文を唱えた。
「うん。これであんたのうちも良くなるだろう。
長年のゴミが貧乏神を呼んでしまったのかもね。
じゃあ私は行くね。」
「待って。これ、母さんに頼んで作ってもらったいちごケーキ。食べて。」
「ありがとう。」
ワラシさんは、ケーキを持って帰って行った。
「や〜。当たったー。」
お母さんの声だ。
「どうしたの。」
「スクラッチくじに当たったのよ。
1万円よ。今日は夕飯カツにでもしようかしら。」
母さんが上機嫌で笑うのは良いことだ。
最初のコメントを投稿しよう!