共同生活

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俺はその瞬間 「お前……まさかとは思うけど、毎朝、俺のケツにお前の朝(ピー)ちしたものを押し付けてるのは、ワザとじゃねえよな?」 ワナワナと震えながら空也に訊いてみた。 すると空也はニヤリと笑って 「それだけで我慢してやっているんだ。感謝しろ」 などと答えたのだ。 「するか! どあほう!!」 テーブルを叩いて叫んだ俺に、姫華ちゃんとマキちゃんは目を据わらせて 「お兄、最低!」 「空也きゅん、それは無いわ……」 そう呟くと 「部屋に鍵あったよね?」 と姫華ちゃんが俺の顔を見た。 「初日に壊されたよ」 俺が溜息混じりに答えると 「もう、そこまでいくと執念ね」 マキちゃんがゾッとした顔をして呟いた。 「あんた、今まで寄ってくる男女をヤッたらポイだったのに……」 「はぁ? 抱いてくれって言うから、抱いてやっただけだ」 「うっわ! 最低!」 マキちゃんと空也の会話に、思わず呟いてしまった。すると空也は俺に顔を近付け 「だから、今はしていない!」 と、ふんぞり返っていやがる。 「いやいやいやいや! それ、普通だから!」 そう叫んだ俺に、空也は「チッ」と舌打ちをすると 「これだから、童貞処女は面倒臭いんだよ」 などと言いやがった。 「はぁ? 童貞じゃねぇし!」 「見栄はるなよ。そりゃあ、25歳で童貞は引かれるよな。分かる分かる」 ポンポンっと肩を叩かれて言われ 「だ~か~ら~、童貞じゃないって言っているだろう!」 と叫ぶ。 「初キスは?」 「15歳」 「やだぁ~!案外早熟!じゃあ、初体験は?」 「……」 「ほらみろ、童貞だ」 「16歳!」 「やっだぁ~!可愛い顔して、やる事やってるのねぇ~。じゃあ、付き合った人数は?」 「……人」 「え?聞こえな~い!」 「5人だよ!5人!!」 「きゃー! 姫華、聞いた?青ちゃんったら、可愛い顔してケダモノだったわよ!」 「もう良いだろう!」 空也とマキちゃんの怒涛の口撃に、俺はたまらなくなって叫んだ。 すると空也はガラス玉のような瞳で俺をジッと見つめた後 「で、今は?」 と聞いて来た。 俺はその瞬間、裏切られた光景を思い出して「ぐっ」と息を呑んだ。 「なるほどね……」 空也はぽつりと呟くと 「つまらないSEXしてフラれた訳ね」 鼻で笑われて言われてしまい 「お前みたいなヤツに、俺の気持ちなんて分からない!」 と、思わず叫んでいた。
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