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すると姫華ちゃんは頬を膨らませて
「何でお兄は良くて、姫華はダメなの!」
と言われて
「いやいや!空也だって、ぶっちゃけ嫌だよ。でも、毎晩俺が熟睡している時に布団に入り込んで来るから、拒否出来ないだけだよ」
苦笑いしてそう答えた。
「それに姫華ちゃんは女の子でしょう!」
「私、青ちゃんなら大丈夫!」
「何が大丈夫なの? 男は狼なの! 間違いが起きたら大変でしょう! しかもまだ16歳でしょう! 俺を犯罪者にするつもり!」
そう答えた俺に、姫華ちゃんが益々頬をふくらませた。
すると何故か、空也が得意気な笑みを浮かべて姫華ちゃんを見下ろしているので、深い溜め息を吐き
「空也、聞いていたか? 俺は、お前が布団に入って来るのは嫌なの! 何、姫華ちゃんに勝ち誇った顔をしているんだよ」
呆れた顔をして言うと
「俺は二十歳だから、犯罪にはならない。それにお前、子供体温だからさ。湯たんぽ兼抱き枕にちょうど良いんだよ。ついでにヤラせてくれたらもっと良いのに」
サラリと恐ろしい言葉を吐かれて、思わず頬張った飯を喉に詰まらせた。
「きゃあ!青ちゃん、大丈夫?お兄、最低!」
お茶を差し出して背中をさすってくれる姫華ちゃんに、ひとまずお茶で飯を流し込みながら
「ありがとう。もう、大丈夫だよ」
と言うと、思い切り空也の頭に拳骨を落として
「お前はアホか! 朝っぱらセクハラ発言しやがって」
そう叫んだ。
するとマキちゃんが手を上げて
「空也きゅん、あたしならいつでもOKよ!」
と叫ぶと、空也は表情も変えずに朝食を食べ終えて箸を置いた。
「マキ、お前はバリタチだろうが!」
「あら!空也きゅんの為なら、ネコにだってなるわよ」
「その気もないくせに……。それに、俺が勃つのはコイツだけだから」
二人のやり取りを無視して味噌汁に口を付けた瞬間に言われたもんだから、思わず目の前の空也に吹いた味噌汁を浴びせてしまった。
「お前……」
ギロリと睨む空也に
「今のはお兄が悪いと思う」
「あたしも空也が悪いと思う」
姫華ちゃんとマキさんの言葉に、空也は姫華ちゃんが差し出したタオルで顔を拭きながら
「なんでだよ。事実を言ったまでだ」
と、普通に話している。
「いやいや! 俺、男だよ? おかしくない?」
慌てて叫ぶ俺に
「器など関係無い。俺はお前のエネルギーが欲しい。それには、手っ取り早くお前に突……」
「空也! 朝から下品!」
空也が反論しかけたのを、慌ててマキちゃんが手で空也の口を塞いだ。
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