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ポーチとハンカチを手にトイレを出て、皆の所へと真っ直ぐと戻る。 どの席も賑やかで、腕時計で時間を確認すると20時になる所だった。 腕時計の秒針が動いているのを見下ろしながら歩き続け・・・ そして、腕時計の針が8時ピッタリとなったのを見た。 それから顔を上げて一歩、二歩、三歩・・・ 歩いた時・・・ 「!!?」 数人の男の人とすれ違った瞬間、通り過ぎようとした男の人が私の腕を掴んできた。 足を止めて男の人を見上げ・・・ 久しぶりに見たその顔に呟いた。 「ニャン・・・。」 ニャンだった。 さっき副ちゃん達から話題に出されていたニャン。 高校時代に私と仲が良かった男子、ニャン。 仲が良くて・・・。 凄く凄く仲が良くて・・・。 ずっと好きだった男子・・・。 今でもずっと好きな男子・・・。 ニャンだった。
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