たまご

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僕は新人小説家。 毎日パソコンに向かい、膨らませた妄想を書き綴る。 昼飯でも食うか、とフライパンにたまごを割りいれる。 すると、たまごからは ぽとり。 小さな本が出てきた。 「なんだこれ?」 料理するのも忘れて小さな本を目を凝らし 読み進める。 これもか? 次のたまごも割ってみる。 さらに次のたまごも… なんだこれ!面白い!!! これを 書き写して新人賞へ出してみよう。 僕は小さな文字をパソコンへと打ち込んでいく。できた! 【新人賞!!今おすすめの小説家BEST1】 僕の本が賞をとり、続々と再販され 今や 時代をときめく小説家。 「次の作品はぜひうちで」 数多くの出版社から声がかかった。 次のたまごを割ってみよう。 これで食いっぱぐれることもない。 【新人小説家、まさかのパクり疑惑!?】 なんだこれ??! 僕の作品がパクり? 【なんと、全く同じ内容の小説が同時期にあちこちの出版社に送られてきたそうです。】 ニュースに取り上げられる、僕の話。 そんなわけない?!なぜ?? …養鶏所で卵の収穫が行われていた。 鶏たちが食べているのは、細かくきざまれた本、本、本!! 【小説を生む鶏】
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