シークレットが出てこない

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* 「なに? 修二には関係ないでしょ?」  松倉は僕より身長が10センチ以上高い。なんだか見下ろされている気分だけど怯んでいる場合じゃない。 「そうだな、関係ないな」 「じゃあ、口出ししてこないで……」 「美桜とオレは、オマエみたいに買い占めする奴となんて関係ない」  僕は松倉の言葉を遮った。 「は? どういう意味?」  松倉の眉間に皺が寄った。明らかに機嫌の悪い顔だ。 「オレも美桜も1個1個買って、その中でシークレットが出ないかを楽しんでんの。まとめて買って当たったって嬉しくないんだ」 「当たれば……一緒でしょ?」 「違うよ」 「意味わかんないし!」 「わからなくていいよ。松倉が何をどうしようがいいけど」 「いいけど……何?」 「そーいうのオレは好きじゃない」 「んな……」  松倉が何かまだ言おうとしているような気がしたけど、今日はもう松倉と話したくなかった。 「美桜」 「え」 「帰ろう」 「え、あ、うん……」  たぶん美桜は戸惑っていたけど、僕は早く美桜を教室から出してあげたかった。  口を開けたまま何か言おうとしている松倉を放っておいて、僕は男子の友達にちょっとだけ声をかけて、美桜と教室を出た。
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