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昨日とは違って晴れた夕陽の射す道を僕と美桜は歩いた。
「びっくりした」
「何が?」
「修二、急に怒るし。紫音、絶対に驚いてたよ?」
「だってなんかムカついたし」
「ああいうことされると、結局、あとから私が紫音の友達たちから恨まれるんだけどね……」
その声で僕は思わず足を止める。少し遅れて美桜も立ち止まる。
「マジで?」
「マジ。変に男子に助けられるほうが、周りの女子は冷たくなる」
「マジで?」
「マジだって言ってんじゃん」
「ごめん」
「いいよ。私を助けようとしてくれたわけだし」
美桜は笑顔で言ってくれた。ホッとした僕は文字通り胸を撫でおろす。
「今更な質問だけど、美桜が松倉に何かしたとかあるのか? あんなに突っかかってくるけどさ」
「私が何かしたというか、修二のせいというか」
「はぁ?」
なぜ僕のせいになるのか理解ができなかった。
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