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アシュレイは仕切り直すように深呼吸して告げた。
「俺が恋心を抱いているのは、あとにも先にも――ビクトリアさんだけです。あなたを、愛しています」
迷いなく告げられる愛の言葉、真摯な想い。
注がれる熱い眼差しに、鼓動が早くなる。
火がついたように顔から全身が熱くなった。
「だって今まで、そんな素振り全然……」
「俺なりに、何度も分かりやすくアプローチしてたつもりだったんですけどね。あなたが『恋愛はこりごり』と言っていたので、外堀を埋めつつ、じっくり攻め落とそうかと思っていたんですが」
王子のせいで予定が狂ってしまいました、とアシュレイが爽やかオーラ全開でサラリと言う。
さすが、隣国の侵攻を短期決戦で終わらせた知略の騎士。
『外堀を埋める』とか『じっくり攻め落とす』とか、案外策士なのね……。
私は俯きがちに小さな声で言った。
「あの……、じっくり攻め落とさなくていいです。私もアシュレイ様のこと……好きになってしまったので」
恥ずかしくて顔が上げられない。
視線をそらしたままボソッと呟くと、気付けば正面に居たアシュレイが隣に座っていた。
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