それでもオチを付けてくる

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 伸ばした先にあったのはなんと五十円玉だった。まさかこの人はあの画像一枚でそこまで気付いていたと? 「これはもう、私に買えって言っているようなものじゃないかしら」  まさみさんは私の返答を待たずにそのお金を投入すると、これまた見たこともないようなメーカーの、いわゆるスポーツドリンクのボタンを押した。  五十円や百円拾ったからと言って警察に届け出ようなんてことは言うまい。でも、でもだ。この行為ひとつで私のまさみさんへのイメージがまた一つ崩れてしまっているという事を本人は自覚しているのだろうか。 「せっかくだからゆきこさんも何か‥‥‥」 「結構です」 「あらそう。珍しいのに」  まさみさんはいつものように凛としたいで立ち?で車へと戻っていった。  まさみさんが車を発進させた後、さて私もと思った瞬間、まさみさんがその商品を取り出していないことに気付いて、私は急いで車を降りてその商品を手にすると市役所へと向かったのでした。
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