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それでもオチを付けてくる
しばらくそうしていたまさみさんの目がようやく開いたと思ったら私の肩を叩きながら微笑んだ。
「いつまでも落ち込んでいられないわよ。こんなことは私たちの課では日常茶飯事なんだから」
いや、落ち込んでいたのはまさみさんで、私はむしろこの飼い主に憤りを感じていただけだったんだけど。
ペットも家族の一員だといってお葬式まで上げる飼い主さんもいる昨今、不慮のひき逃げでの回収は何度かあったが、まさかの不法投棄に遭遇して私の心が真っ黒に染まっていくような気がしていた。
「さ、戻るわよ」
まるで何事もなかったかのようにまさみさんは車に乗り込んだ。今度は私がその後を付けるように一緒に帰路につく。
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